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2012/12/29

水と遊び・水を知り・水に習う (26)

「一年の計は元旦にあり」と言いますが、この時期になると今年の果たせなかった事を悔やんだり、来年こそはと意気込んだりします。
そういう時は自然に見習うことが肝心です。
私達にとってはこれから真冬に向おうとしているこの時に、
自然は春に咲かせる花をもう準備しています。
春に満開となって日本列島を桃色に染める桜の木は、
もう既に花芽を枝全体につけています。
人に見せるわけでなく、己のために、やるべき事をひっそりと行なっているのです。
自然の絶え間ない一日一日の造化に見習うことが沢山あります。
新しい年がいい一年になりますように・・・


2012/12/25

水と遊び・水を知り・水に習う (25)

土の匂いについて・・・
子供の頃、芋畑を掘り起こしたときに嗅いだ匂いは、
今でも思い出すほどの強く記憶の中にある。
そのような土臭さとは違って香水として土から匂ってくるものがある。
冬のこの時期、霜解けや凍りついた土の中が10時頃になると太陽の熱で溶けて、水分を含んだ黒土が柔らかさを取り戻すと匂ってくる。
なんともいえない自然が醸しだす香である。
土の中の微生物の働きなのか、秋に収穫された植物が分解していく匂いなのかどちらも土壌改良の過程なのだろう。春の植物に多くの栄養を与える準備なのだろう。
とにかく鼻に美味しい匂いなのだ。


2012/12/22

水と遊び・水を知り・水に習う (24)

暦がなかった頃の日本では、今日(冬至の翌日)が新年の始まりだった。
昼間の時間が今日から畳の一目ごと長くなっていくからです。
昨日が太陽が出ている時間が一年で一番少なく、
反対に昼間が一番長い日が夏至です。
私は一年でこの冬至と夏至の二つ日に思うことがある。
それは宇宙の秩序の美しさです。
四季が巡ってくることも、一日があることも、一年があることも、
全てが宇宙の正確な秩序があってこそ、我々が生きていける。
夜明けの美しさも、夕焼けの美しさも、青空の美しさも、
星空の美しさもすべて宇宙の秩序によって現れるもの、
なんと素晴らしい空間なのだろう。
人は小さく頭を垂れ、感謝するのみである。


2012/12/18

水と遊び・水を知り・水に習う (23)

秋・冬の景色で一番のお気に入りは空の青さです。
薄い雲の筋も無い、一点のしみも無い、全てが青の世界で拡がっている。
青一色を見ているといろいろな錯覚に陥る。
自分の位置がわからなくなるくらいの深さと広さに圧倒される。
一点を見つめていると、頭の先端からどんどん天空に吸い込まれていく。
寝転んで首を左右に振りながら見ていると、大きな宇宙円をイメージする。
そして行き着くところ、これほど素晴らしい空の下に生かされている幸せで胸いっぱいになる。 これ以上の何が要るのか?何一つ不足なものは無い。ありがたいことだと胸に収まる。
「もう一つ天と地に生かされている自分がいる」
を実感できる空の青さです。


2012/12/15

水と遊び・水を知り・水に習う (22)

もうほとんどの木から葉っぱが落ちてしまい、
この間まで青々と茂っていた木々が枝をあらわにしている姿を見るとチョット寂しい気持ちになります。

葉っぱのフレディー君のように勇気を奮って落ちていった葉っぱなのだと思い愛しく思えます。そんな中、葉っぱは茶褐色に枯れてしまっているのに、
枝にはいっぱいの葉が茂っている木があります。
調べてみると「やまこうばし」と言う名前で、春になり新芽がしっかりついたのを待って落葉していく木でした。
新しい生命が受け継がれた事を確認して去っていくのです。
同じ意味を持って名づけられた木に「ゆずりは」もあります。
「ゆずりは」縁起物としてお正月に欠かせないものです。
生命が受け継がれていくことの喜び、豊かさ、希望を感じて生きていきたいものです。「やまこうばし」の名は葉っぱをもみほぐすと香がすることから名がつけられました。


2012/12/11

水と遊び・水を知り・水に習う (21)

枯葉で楽しむ方法が三つある。
一つは木から離れて落ちる風情を楽しむこと。
これは大きい葉こそ楽しみが増す。
枝から離れて大地に到達するまでの時間の間に、
私と葉との間で会話ができる喜びがある。
落ちる様子で、葉の気持で、私の思いで・・・それぞれに違った会話ができる。

二つ目は大地に積もった雪のように枯葉の景色を眺めること。
色とりどりの葉が積み重なり、まるでパッチワークの模様を見ているようです。
同一色で敷き詰められた景色をなかなか見ることができないのですが先日ありました。


もう一つは枯葉の音です。風で吹き溜まりになった枯葉の上を歩くとかさこそと気持ちいい音が聞こえます。乾いた音も少し湿った音もいいですね。
また枯葉の上に寝転んで、風に揺れて奏でる枯葉の音は格別です。
シュルシュルと風が枯葉の間を通り抜ける音。
枯葉と枯葉がこすれるコソコソ。一度に多くの枯葉が揃って移動するザワザワ、シュル、ザー、キュに混じって葉っぱ同士が小声で話し合う声が気持ちよく聞こえます。

2012/12/08

水と遊び・水を知り・水に習う (20)

この時期になると空気が澄んで遠くまで見渡すことができるのが嬉しい。
春は大地が温まり空気中に水蒸気が多く浮遊するので霞んでしまうが、
今は寒くなった大地も水達を大切にして離そうとはしない。
また朝焼け、夕焼けも美しい。
東と西の空いっぱいに広がるオレンジと茜色のコントラストは呆然と立ち尽くすほどの喜びを与えてくれる。

先日狭山湖で不思議な光景を見て感動した。
いつも狭山湖を通して奥多摩の山並みがきれいだが、
この日は空が澄み渡って富士山の偉容まで見えた。 
夕焼けが始まって陽が山影に落ちる頃、今まで岸の方にかたまっていた鴨の群れ数百羽がいっせいに動きはじめ、湖の中ごろまで来ると一列に横に並びます。
そして全ての鴨達が夕日に向っています。
まるで今日の夕陽にお別れをするように、
そして 私には「ありがとう」という声が聞こえてきました。

2012/12/04

水と遊び・水を知り・水に習う (19)

柿を食うと昔の田舎を想い出す。
秋の甘味は柿の木に登ってとっていた。
あの頃はどれが甘柿か渋柿かの見分けもわからず、
噛んでみてはじめてわかるので、かなり多くの渋を味わったことになる。
特に渋柿が熟す頃になると鴉が食べるので、鴉との競争である。
木に登っていると鴉が襲来したり、柿の木は折れ易いので、
3メートル位の高さから墜落することもあった。
また農家の軒先にはいっぱいの柿が吊るされていて、
子供2~3人の共同作業で頂戴しに行くのも遊びの一つであった。
柿は美味しい!それでも子供心に守ってきたことがある。

柿の木の高いところにある実はとらないで残すことである。
それは大人から教わったことだが、
これから冬になると餌が少なくなる鳥達へのおすそ分けである。
また来年も沢山実をつけてくださいとお願いするおまじないでもあった。
「木守柿」(こもりがき)と言う。今、散歩の途中ところどころの木に数個残っている柿を見るとほのぼのと昔を思い出す。
ざくろがぱっくりはじけて真っ赤な実を見せていた。


2012/12/01

水と遊び・水を知り・水に習う (18)

朝の冷え込みが厳しくなって、冷たい外気温が布団の中まで感じるようになった。
これから良く晴れた朝は放射冷却で空気さえも凍るのではと思う日もある。

庭に出てみると一面真っ白な霜に覆われていて、
いろいろな面白い景色が見られる。
植物の葉についた霜が美しい模様を見せている。
葉の輪郭どおりに霜がついていて葉が花のようで面白い。
それでわかることは植物の葉は葉の周囲から呼吸していると知ることが出来る。人間の呼吸も冷たい空気にあたり、微細な蒸気となって辺りをただようが、流れて行く様子が面白くて目で追いかける。
まさに流水紋と同じ表情である。

植物も人も動物も呼吸は無意識に行なっている。
それは体内の水分と外気との入れ替えであり、水の循環である。
同じ作用をマクロでみると、天と地が雨と乾燥で呼吸しているから地球が生きている。 
生きるとは呼吸であり、無意識が面白い。