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2013/01/29

水と遊び・水を知り・水に習う (35)

今の時期を大寒と呼び、一年で一番寒い時ですが、
この頃から大気が移動して温度変化が顕著になります。
即ち春への準備段階に入ったことの現れです。
その状態を捉えて「春隣」という季語があります。
なんと憎い表現でしょう!!!
春がもう隣の軒下に来ていますようと、呼びかけているようです。
日本人の感性の鋭さを感じさせてくれる表現ですね。
そんな気分にさせてくれるいま、一日一日の気温と太陽の熱と水のぬくもりを感じて過ごしたいこの頃です。

写真:土ゆるむ路


2013/01/26

水と遊び・水を知り・水に習う (34)

水は天と地に溢れている。
しかしそれだけの水が地球の秩序を支えているわけで、
決して多いわけではない。
南方に行く飛行機に乗って窓から下の地形を見ていると、
雲のかたまりから水を撒いているような景色をよく見ることがある。
それが雨で、わりと低い雲から雨が降っていることがわかる。
あの雨で乾いた大地にいる命がどれだけ生き返ったのだろうと思うと雨って有り難いなと思ったことがたびたびある。
即ち、天と地はいたるところで乱交しているのである。
毎日大地にへばりついて生きていると、
天上の事を気にすることがほとんどない。
上空の空と雲と太陽の恩恵を思わずして生きているのがすまなく思える。
「天と地の間で生かされている自分」を実感してみよう。何かが見えてくる。

2013/01/23

水と遊び・水を知り・水に習う (33)

流水紋を見ていると、さまざまなことが思い浮かんでくる。
それは物体であったり、状態であったり、私の想いであったりするのだが、
それを思いおこさせている元は水なんだと思えば不思議でたまらなくなってしまう。水が単純に斜面を流れ落ちる様を和紙に吸い取っただけの形が、見る人にさまざまな想念を湧きたてる。

そのようなことが起きるということは、見る人の過去の記憶が水のスクリーンとして埋蔵されているのだろうかと思える。
キリスト教の牧師が作品を見てこれは旧約聖書の中に書かれているあのシーンだねと言ったりすると私には頭が混乱してくる。
水は35年間この地球で起きた出来事を水の中にたたみこんでいるという。
それと、人の記憶が流水紋の中で出会う。不思議な出来事だね。
この作品からあなたは何を発見しますか?


2013/01/19

水と遊び・水を知り・水に習う (32)

あちこちに雪が解けきれず氷となって残っています。
そこにだけいろんな鳥が集まって何か餌をつまんでいます。
鳩も雀も日向には一匹もいません。
氷の中に何かおいしいものが集まっているのかと思いよく見てもわかりません。氷をついばんでいるようです。

思い出したことがあります。
雪解け水はエネルギーが強いと言う言葉です。
そういえば氷山の下はプランクトンの宝庫で、
魚が集まってくる場所として知られています。
大雪の年は農産物が豊かに実り、乳牛も、鶏卵も生産が豊富になります。
それは雪解け水の力なのです。

雪解け水と普通の水との違いは水の構造が違っていて、
雪解け水が生理活性の働きが強いと言うことです。
同じ水ではないのですね。
但し、雪解け水も5日を過ぎると普通の水の構造に戻り、
生理活性の働きは弱くなるそうです。
鳥達もそれを本能で知っているのでしょう。


2013/01/15

水と遊び・水を知り・水に習う (31)

東京は一年ぶりの雪に大混乱!
成人の日にとっては大変な想い出になりました。
九州で育った私には雪の想い出はないが、
子供の頃、つららに興味を持った。

屋根から伸びた透明の氷の筒に何か神秘な思いを持った。
命が凝縮して詰まっている生き物に思えた。
水のしずくが少しずつ氷っていって、さまざまな形をつくる。
太陽に照らされ見事な七色の輝きを放ち、
ぽたり・ぽたりと汗を流しながら身を細めていく。
氷のしずくが一粒ずつ音を立てながら落ちていく。

数時間の人生ドラマを見ているようで面白かった。
今朝そのつららを見たいと思って見渡したが、どこにも発見できなかった。


2013/01/12

水と遊び・水を知り・水に習う (30)

冬は温度が激しく上下するので、水の変容も様々である。
水が凍って霜になる・雪になって、つららになる・水蒸気が氷って霧氷になる・空気中の水分が氷ってダイアモンドダストになる。
海水が氷って氷山になる。
その時の大気と環境により融通無碍に水が変化する。
一つの物質がこれほどまでに変化するのは水をおいて他にない。

液体・気体・固体と温度により変容し、それでいて水の本質を失わない。
水はそのような特質でこの地球を守っている。水は地球の守り神である。
仏教的に言えば千手観音である。臨機応変に身を変え、その場の命を生かしている。

2013/01/08

水と遊び・水を知り・水に習う (29)

正月も幕の内が過ぎ、七草粥の日、
素朴な味を味わった人達の感想はどうなんだろう。
この時期の野にある青葉の色と、かすかに漂う野趣の香を感じながら、
古人に想いをはせながら満足感を味わった。
食べながら想ったことはやはり日本人の繊細な感性である。
白いお米の中に映る緑色の鮮やかさと、苦味がきいた新鮮な香は何故か「いただく」という満足感を味あわせてくれる。
自然の中にある、いまある植物をいただいて生きる。
その足ることに満足する。
当たり前の事を当たり前に行なう事を教わる。
写真は竹林の中の竹の成長振りです。



2013/01/05

水と遊び・水を知り・水に習う (28)

新年が芽出度く明け、どこの家にも新しい希望の光が差し込んできました。
元日にそれぞれの玄関に飾られた門松を見ると、ここの家にも、
あっちの家にも、清々しい良質な気が訪れていて、
なんと穏やかな平和な時なんだろうと感じさせられます。
私もこの時ばかりは家の周辺の散歩で時を過ごすのが決まりで、
野歩き、里歩きを楽しみます。
冷え切った大地も、枯れた木々も、凍りついた池の水も、
こころなしかぬくもりを感じます。

そして輝く太陽の光と熱に思わず手を合わせたくなる有り難さを感じます。
自然界の飽くなき循環の妙に感心し、そのリズムの中で生かされている小さき者のいのちを強く意識します。
日没時に大好きな取って置きの場所・狭山湖で今年一番初めの日没を見た。丹沢山系に隠れた陽が赤く燃え始めると、
左側に雪をすっぽりかぶった富士山が見事に浮かび上がります。
あそこに沈んだ太陽がまた明日、東の海から昇ってくる。


2013/01/01

水と遊び・水を知り・水に習う (27)

新年おめでとうございます。
本年が希望に満ち溢れた光の一年でありますようにと願わずにはいられません。
  
日本には元日の早朝に湧き水から汲む水を若水と称して大切にしてきた文化があります。
身体をくまなく循環する血液に託して、自然の生命力旺盛な若水をめぐらせ、一年の無病息災を願う。
素晴らしい人間の知恵です。
いつまでもそのような素朴さを大切にしたいものです。