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2013/05/28

水と遊び・水を知り・水に習う (69)

九州はもう梅雨に入ったようで、これから徐々に東の方に広がってくる。
このあいだ、桜前線が南から北へ移動したが、今度は雨の移行である。
この時期が日本において最も日本らしさを現すので、面白い。
「さみだれを集めてはやし、最上川」や、「箱根八里は馬でも越すが、越すにこされぬ大井川」等にあるように、雨による増水が生活のリズムを狂わしていた。広重・北斎の浮世絵にも雨の景色が多く描かれている。
日本独特の文化にはこの雨がどっしりと根をはやしている。
先日山歩きして、大地や木々がそろそろ雨が欲しいよって、
言っていた声が思い出される。もう大丈夫、すぐいっぱいの雨が降りだすから。これから野山や庭には色とりどりのアジサイが咲き乱れる。
アジサイが雨に当たって、色を変化させるのを楽しみたい。
写真はあまり多く見れない「コアジサイ」


2013/05/25

水と遊び・水を知り・水に習う (68)

レオナルド・ダ・ヴィンチの手記の中に次の文がある。
「君が手に触れる水は、過ぎし水の最後のものにして、来たるべき水の最初のものである。現在と言う時もまたかくの如し。」
哲学的な文章になっているが、私にとっては「水と時」を一つのものとして表した名文だとほくそえんでいる。
私は「水が時を連れてやってくる」と言う表現をしているが。
水は瞬時に変化していて、同じ状態はない。
時は生きること。時もいのちも見えないけれど変化している。
見えないところで生かされている。

2013/05/21

水と遊び・水を知り・水に習う (67)

山の緑が濃くなって、色の変化を面白く楽しむ時期が過ぎ去ろうとしているこの時、そんな中にあってドキッとさせられるのがある。
それは山吹の黄色である。これは黄色として片付けられない色である。
黄色に赤や茶や緑を含んでいて、
昔から山吹色として特別に扱われてきた。
私はこの色を岩陰に見るのが好きで、
この時期の山歩きにおおきな楽しみの一つである。
山の川べりにある山吹はどんな遠くからでも、すぐ見つけることができる。
自然はとどまることなく移ろっている。



2013/05/18

水と遊び・水を知り・水に習う (66)

自然を見ていると見えない力を感じる。
日に日に時は間違いなく流れている。
しかしその流れは見えない。
2~3日経って同じ場所に行って見ると花の色、
咲き具合が変わっていて、違う雰囲気をつくっている。
こんなに変化しているのかと、それに比べて己のもどかしさに腹がたってくる。
滝を見に行った。滝の水は一気に滑り落ちて、何の変化もなく、
当たり前のように、次の流れに同化して行く。ただひたすら流れて行く。
「岩もあり 木の根もあれど さらさらと たださらさらと 水の流るる」と、
有名な詩がある。
なかなかこのように行かないものである。


2013/05/14

水と遊び・水を知り・水に習う (65)

今は高い木々に白い花が目立ちます。
「みずき」「なんじゃもんじゃ」「ななかまど」がある。
みずきは川の岸辺に根を張っている。
この木は水を吸い上げる力が強く、
耳を幹につけるとごうごうと音が聞こえる。
幹の中を川が流れているかと思えるほどです。
「なんじゃもんじゃ」の木は正式には「ひとつばたご」と言うが、
いま雪を積もったように白く見える。
どうしてそんな名前がついたのか?誰かが言ったのが日本中に広がるなんて面白い現象です。
秋に紅葉する「ななかまど」も真っ白い花を咲かす。名前も面白いが、
性格もみんな違って楽しい。


2013/05/11

水と遊び・水を知り・水に習う (64)

散歩中にどこからともなく漂ってくる藤の香。
棚から垂れ下がっているもの。植木鉢の中でつつましく咲いているもの。
どれもいい香だが、その甘い香に誘われて蜂が寄ってくるので気をつけなければならない。その藤も盛りを過ぎ、次にバトンタッチするのが、桐の花である。
この花は庭木では見れないが、広い所で真っ直ぐ伸びた木に上のほうで立つようにして、咲いている。同じ紫色をしているが藤は垂れ下がって咲いているが、
桐は立って上に向って咲いている。高いところにあるので花の形は良く見えない。
落ちた花でも強い芳香がある。昔は女の子が生まれると、
桐の木を植えて嫁入り道具の桐の箪笥をつくる準備をした。
桐を見ると子供の頃、桐の下駄を買ってもらった事を思い出す。
軽くて、きれいで他所行き用だった。だいじに長く使った記憶がある。


2013/05/07

水と遊び・水を知り・水に習う (63)

家庭菜園が大流行のため、昔は農家の人しか見れなかった野菜の花が、
散歩の途中でもよく見ることが出来る。
一般的に知られている葱や、人参、ジャガイモ、かぼちゃ、韮等があるが、
いまの時期嬉しいのは豆の花である。白色や、紫色で可憐な花である。
この花を畑で見つけると、自然と出てくる歌がある。

♪緑のそよ風 いい日だね 蝶蝶もひらひら 
豆の花 なないろ畑に 妹の つまみな 摘む手が かわいいね ♪

懐かしく、のどかに、嬉しくなる唱である。
「菜の花」の唱も、「茶摘」の唱も散歩の時間を楽しくしてくれる、
伴奏曲である。





2013/05/04

水と遊び・水を知り・水に習う (62)

今日は88夜・立春から数えて88日目に当たる日ですが、
農家では昔からこの頃の霜に気をつけます。
天気予報でも遅霜に注意を呼びかけています。
今朝も気温が冷えて冬の冷たさを思い出させます。
これが過ぎると五月晴れに鯉のぼりがはためく日本の豊かな日になります。
また茶摘の時期でこの時に摘んだお茶は美味しいとも言われています。
お茶も霜の当たると枯れるので、その予防には大変な苦労があるようです。
お茶の新芽がいっせいに出揃うとその色と形が可愛くて写真に撮ります。
葉っぱを一枚噛んでみると、お茶の苦さと香で口の中がいっぱいになります。
そのお茶の葉のてんぷらは美味しいですよ。