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2015/08/21

「水の祈り展」を終えて

今年の夏を5日間に集約した出来事だった。
毎朝4時半起きて清水の坂を登っていく。
境内はまだ人の気配もない静けさの中、蝉の鳴き声が耳を覆う。

7時過ぎ、うらぼん法話を聞いた人達が会場の「経堂」に来られる。
それから閉館の15時まで8時間、人・人・人の交流である。1日約800~1000人の方々との邂逅は日頃では経験できないことである。おまけに暑いが熱いほどの室内である。クーラーなし、扇風機なし、団扇だけでの応対に来ていただいた方々に申し訳なく、気の毒になるような状態でした。来場者の6割が海外からの旅行者で、その内の6割がアジアからで、残りの半数が世界中からの人々でした。ブラジル・スペイン・ロシア等多様でした。

作品をご覧になった人達の感想は異口同音ながら「生命観」「ダイナミック」「エネルギー」に集約されますが、流水紋の制作方法や、作者のコンセプトを聞くと感嘆の声に変わり、共感に声が震える人もいて「水」の価値を共有することが出来ました。水神像の大きい叫びに耳を傾け、真摯な気持ちでメッセージを記す人が多く見られました。

今回の展覧会ではメッセージノートが大活躍で、世界中の人達が数多く素晴らしい言葉を沢山残されました。その事は私の次への進化のエネルギー源です。
それにも増して強く確信した事は人類がよりよく生きるという大きな力で繋がっていることを実感したことでした。また日本の中学生、高校生のいくつかの集団と話し合う機会がありましたが、最後まできちんと聞いてくれてそれぞれが約束をしてくれました。それは朝飲むコップ一杯の水に「ありがとう」を言って飲むという習慣です。彼等はきっと今日も約束を守ってくれたことでしょう。そのようなことは日本人が先祖から受け継いできた自然との共生です。これからの地球が一番必要としていることです。

今回共演した野崎 悠君の写真も流水紋の視点で制作されたものである。
多くの方々に賞賛いただき彼も大きな経験をすることができた。見えない世界の素晴らしさを実感し、生かされているものの謙虚さこそ、新しい世界を創り上げていく力の源なのだろう。