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2012/12/04

水と遊び・水を知り・水に習う (19)

柿を食うと昔の田舎を想い出す。
秋の甘味は柿の木に登ってとっていた。
あの頃はどれが甘柿か渋柿かの見分けもわからず、
噛んでみてはじめてわかるので、かなり多くの渋を味わったことになる。
特に渋柿が熟す頃になると鴉が食べるので、鴉との競争である。
木に登っていると鴉が襲来したり、柿の木は折れ易いので、
3メートル位の高さから墜落することもあった。
また農家の軒先にはいっぱいの柿が吊るされていて、
子供2~3人の共同作業で頂戴しに行くのも遊びの一つであった。
柿は美味しい!それでも子供心に守ってきたことがある。

柿の木の高いところにある実はとらないで残すことである。
それは大人から教わったことだが、
これから冬になると餌が少なくなる鳥達へのおすそ分けである。
また来年も沢山実をつけてくださいとお願いするおまじないでもあった。
「木守柿」(こもりがき)と言う。今、散歩の途中ところどころの木に数個残っている柿を見るとほのぼのと昔を思い出す。
ざくろがぱっくりはじけて真っ赤な実を見せていた。